感染対策チーム(ICT)

ICTラウンド病院には感染症にかかっている方、免疫力が落ちており感染症にかかりやすい方が多く入院しています。また感染症治療のために抗菌薬が使用されるために、抗菌薬が効かない細菌(耐性菌)が潜んでいる可能性もあります。
このような環境の中でICT(Infection Control Team:感染対策チーム)は、病院内で発生する様々な感染症から患者様、御家族、職員の安全を守るために活動しています。
当院ICTは医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師で構成されており、感染防止対策の推進のために院内回診、感染対策の啓発、サーベイランス(調査監視)等を行っています。院内回診は毎週水曜日に院内各部所の衛生状況を監視して、医療環境の整備に努めています。
啓発活動としては年に数回の職員向けの感染管理研修や毎月ICTニュースを発行して、国内外での感染症発生動向等の情報の共有等を行っています。サーベイランスでは院内の感染発生動向の調査、耐性菌の検出状況、手指衛生剤の使用量の把握等を行っています。
上記以外にも抗菌薬適正使用の指導、感染発生時の対応、インフルエンザなどの感染症流行時の対応等様々な活動を通じて、感染の予防・早期発見・拡大の阻止に努力しています。

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

AST(Antimicrobial Stewardship Team)とは抗菌薬適正使用支援チームのことです。その役割は、適切な抗菌薬の選択、用法・用量の設定、投与日数等を主治医に提案し、患者さんが最適な抗菌薬治療を受けられるようにすることです。これにより治療効果の向上、副作用の防止や薬剤耐性菌発生の抑制等を図ります。
具体的な業務は、免疫機能が低下した患者さんの早期モニタリング、特定抗菌薬使用の承認、抗菌薬適正使用の評価、微生物・臨床検査の適正化、抗菌薬の適正使用を目的とした職員への研修、採用抗菌薬の見直し等です。
ASTは医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師の4名で構成されており、主治医と連携しながら、これらの業務を日々行い、抗菌薬の適正使用を推進しています。

栄養サポートチーム(NST)

栄養サポートチーム(NST)医師、薬剤師、看護師、管理栄養士など多くの職員が専門知職を持ち寄り、患者さんに適切な栄養管理を行うチームです。
当院は、毎週木曜日の15時から低栄養(栄養不足)の患者さんの総合栄養療法(点滴から食事まで)について、チームで検討し、主治医・看護師や患者さんへ提案しています。その後、チームのメンバーで病棟回診(NST回診)を行い、患者さんの身体状況(食欲、活気など)の評価と食事を召し上がれる患者さん・ご家族には、食べやすい形態・栄養補助食品の提案などについてお話しするとともにご相談しています。

医療安全管理

az医療安全管理室は、当院をご利用される患者さんの安全性を確保し、よりよい医療サービスを提供するとともに、職員一人一人が安心して安全に働ける職場環境を作り上げることを目的に平成22年に開設されました。
医療安全管理室の具体的な活動として、患者さんに安全な医療を提供する為に、院内で挙げられたインシデント(重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例)・アクシデントレポートを基に事例検討を行っています。事例検討では、事象の背後に潜むシステム上の問題や人的要因に絡む問題などを分析し、原因追究、改善策の検討と実施にむけての具体的活動などを各部署のセーフティーマネージャーと協同し再発させないための見直しや整備を行っています。また、緊急時の現場におけるスタッフの指導や所属長を含め直接面談をしています。
医療安全に関わる、患者さんのご相談や不安を受け、安心して入院を継続していただけるように面談を通して患者さんとご家族に真摯に関わっています。
また、定期的な院内巡視を行い、患者さんに安全な療養環境が提供されているか、取り決めた安全対策が実施されているかなど、職員全員が医療安全推進のために積極的に取り組んでいるか等の評価を行っています。

医療法改正により制度化された「医療事故調査制度」が開始されました。
医療時事故調査制度の目的は、医療事故の原因究明に基づいて再発防止とより安全な医療の確保としています。当院もこの制度に適切に対応する為のシステムの見直しと、全職員がより安全な医療を意識して提供できるよう取り組んでいきます。

安全管理者の役割

  • 医療安全に関する現場の情報収集、実態調査
  • 医療安全マニュアルの作成、点検及び見直しの提言
  • 医療安全に関する最新情報の把握と職員への周知
  • 医療安全に関する職員への啓発、教育活動の企画、運営、医療安全ニュースの発行
  • 医療安全管理に関する連絡・調整
  • 患者さんの医療安全に関する相談対応

安全管理室 チームスタッフ

室長 副院長
医療安全管理責任者 専従1名(看護師長)
医療機器安全管理責任者 1名(臨床検査技師長)
医薬品安全管理責任者 1名(薬剤科主任)

褥瘡(じょくそう)対策チーム

当院は褥瘡対策委員会が中心になり、褥瘡の発生予防と治療に取り組んでいます。
メンバーは、外科医師・看護師・管理栄養士や理学療法士等、多職種が連携しチームとして活動します。栄養管理は、栄養サポートチーム(ǸST)との連携、褥瘡の治療に必要な医療器材や衛生材料の購入等、委員会として組織を通し、しっかりと患者さんのサポートをしています。また、日進月歩で変化する治療や予防法など、具体的に手順を改正し、社会から求められる最善の予防と治療ができるようチーム医療として取り組みしています。毎月の褥瘡発生数やすでに在宅や施設で発生し入院となったケースなどの把握から、当院における褥瘡発生数は0~0.06%となっています。褥瘡回診は毎週、実施しています。ǸSTからの情報を踏まえた治療や患者さんにとって必要な体位変換のチェックを確認し治療に成果を上げています。

看護職をはじめ全職種を対象に、年2回褥瘡対策研修としてポジショニングについて学び、体位変換の具体策から褥瘡発生予防に効果を上げています。

緩和ケアチーム

チーム医療ページ_緩和ケア緩和ケアチームの活動は、緩和ケア医師や必要に応じて臨床心理士などと、院内で横断的な活動をしています。外来患者さん、一般急性期病棟に入院されているがん患者さんを対象として、身体的・精神的・社会的苦痛からの相談(コンサルテーション)を受け、がん患者さんへの介入を行っています。受持ちチーム・看護師からの情報をもとに、患者さんを訪問し、患者さんの困りごとを聴き、受持ちチームとともに「今、本人に何が起きているのか」「優先的なケアは何か」など情報の整理をし、患者さんにとってのより良いケアについて検討しています。また、介入を通して、がん医療に携わる看護師の育成を目指し、看護師自身の困りごとを聞いたり、看護師自身でケアを考えることができるような教育的な関わりもしています。

認知症ケアチーム

急速な勢いで超高齢化社会に突入し、それに伴って認知症を患い、また認知機能が低下される患者さんも増えてきています。当院では平成29年4月より認知症ケア対応チームの活動を開始しました。認知症患者にとって、入院・治療による生活環境の変化は認知症の行動・心理症状の悪化やせん妄を出現させやすいため、安心して療養できる環境が必要です。各病棟看護師においては認知症ケアの所定研修に参加し、リンクナースとしての役割を果たしています。

また、多職種と連携し合同カンファレンスや認知症ケアチームラウンドを取り入れ、早期に多職種の専門的な視点からアセスメントとケア介入をしています。そして、退院後も安心した生活が継続できるよう、それぞれのメンバーの特性を活かした質の高い認知症ケアを目指しています。