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最新の拡大内視鏡装置

p従来の胃内視鏡、大腸内視鏡の装置をより精密な内視鏡装置として拡大内視鏡を2016年度より当院で採用いたしました。

拡大内視鏡は、通常観察で発見した病変をその場で拡大観察(最大100倍)することで、通常観察では確認できない微細な粘膜模様や微小血管の観察を可能とし、内視鏡的な質的診断(腫瘍鑑別)及び量的診断(深達度診断、範囲診断)をサポートする装置であります。従来の内視鏡を用いた検査では、良性と悪性の鑑別が難しかったものを拡大観察することで、より確実に診断することが可能になりました。

当院にて導入している最新の内視鏡スコープではスコープ先端部のアクチュエーターを動作させることで対物レンズのフォーカスレンズが移動し、中遠景の観察に適した通常観察モードと近点観察に適した近接拡大モードの二つのフォーカスを一瞬で切り替えることができます。中遠景で観察部位全体を捉える際には通常観察を行い、近接観察の際に近接拡大に切り替えることによって、細かい粘膜や血管パターンを観察できます。通常内視鏡検査にて少しでも異変があれば、拡大機能で微細粘膜模様や血管を観察し、病変の早期発見と診断が行えます。

通常観察モードと近接拡大モードのイメージ
拡大内視鏡 差し替え画像※出典:ORYMPUS社ホームページより

現在、日本の内視鏡の機器開発、技術、診断や治療は群を抜いて世界に誇れるものです。
これまで、日本の内視鏡装置への研究は早期胃がんの診断の学問が主流でした。90年代より大腸がんの発見や、ここ数年は内視鏡装置が飛躍的に進歩し、拡大内視鏡の診断やNBI(Narrow Band Imaging)機能の研究が精力的にされています。

NBI機能について

NBIとは、内視鏡観察光の分光特性を変更することにより粘膜微細模様の強調表示を行う光学的画像強調技術のことで、染色液を使用せずにスイッチ一つで観察光を変更し、利用ができます。拡大内視鏡にNBIを併用することによりエビデンスの高い診断方法を利用することができ、患者様に貢献していく装置であると思います。

このNBI機能は日本初の粘膜表面の微細な血管を認識する機能です。がんがあると、この微細な血管パターンが変化します。従来の内視鏡検査時にはわかりにくかった腫瘍発見の診断に有用です。拡大内視鏡は、このNBI機能により内視鏡時に病変を感知すると瞬時に画像の倍率を拡大し、小さながんの初期病変でも詳細に観察が可能な内視鏡の診断と治療を飛躍的に向上させる内視鏡装置です。

この拡大内視鏡はNBIを併用することにより、食道がん、胃がん、大腸がんに対して術前診断に今後も多く利用され、より正確に進行度が判断され、より体に負担をかけない根治的治療に貢献していくことは間違いないと思います。早期食道がん、早期胃がん、早期大腸がんの質的診断、深達度診断に今後も拡大内視鏡診断は非常に有用な手段で今後患者様にとって役立つ診断方法であると考えています。

NBI(Narrow Band Imaging)機能
~狭帯域光観察機能の発展~

拡大内視鏡により、血管構造を観察し、がんの進行度を判定し、早期がんの内視鏡診断に役立ってきている。特に早期がんと思われる内視鏡的粘膜下層剥離術の術前精査目的に利用され、がんの深達度、すなわちがんの進み具合を手術前に確実に診断することにより、開腹手術による胃切除術を施行しないでよいので有用な方法であると思われます。
患者様にとっては開腹せずに通常の内視鏡挿入にて根治的治療が施行できるメリットは大変大きなものと考えます。

拡大内視鏡は陥凹型がんといわれる早期に発育する危険ながんや、大腸の壁を這うように発育し、早期発見が難しいがんの診断に有用です。また、内視鏡では切除する必要のある腺腫などの腫瘍を的確に診断することが可能です。さらには、がんの内視鏡治療の適応を診断し、治療後の再発や出血の予防などにも有用です。

今後も内視鏡装置をはじめ、あらゆる医療機器の進歩がありますが、拡大内視鏡の導入にて、より地域医療への貢献につながるものと確信しております。ご質問などがございましたら、当院の医師、看護師にご相談ください。

当院は、医師の迅速で的確な診断をサポートするために、最先端の画像診断検査システムを積極的に導入しています。これらの機器から得られた情報をもとに医師は診断し、患部の画像を示しながら患者さんやご家族へわかりやすく説明し、理解と同意をいただき、効果的な治療を開始します。
これらのシステムをご紹介します。

1.5TのMRI装置

1.5TのMRI装置平成23年12月にGE社製Optima MR360に更新しました。1.5TのMRI装置で、全身領域において短時間で広範囲を細部まで高精細に検査をすることができます。
また、造影剤を使用せずに鮮明な血管の情報を得ることも可能となり、患者様の負担や安全性に配慮した装置です。高機能のMRIにより、高精細の画質がより身近にご利用いただくことができます。地域全体のMRI検査待ち解消にもつながります。検査予約から実施までほぼ1日程度で検査可能の体制を整えています

最新鋭64列マルチスライスCT

最新鋭64列マルチスライスCT当院では、最良の医療をめざし東芝製64列マルチスライスCT Apuilion CXを導入。この装置は、1回転128断面の撮影が可能で高精細の0.5mmスライス厚×64断面撮影が可能な世界最高水準のマルチスライス技術を搭載しており、大幅な撮影時間短縮とより精密な検査が可能になりました。

主な特徴

  • 心筋梗塞の原因となる冠動脈狭窄がカテーテルを用いず、外来検査で静脈から造影剤を注入して短時間で鮮明に撮影できます。さらに画像診断ワークステーションで描出した高精細3D画像により、冠動脈の狭窄がはっきり判り、狭窄部分の血管壁も観察できるなど診断に有効利用しています。
  • 撮影中、息止めが必要な胸部や腹部の検査でも10秒以内の短い息止めで撮影が終わるので、患者さんの負担が軽くなります。

橈骨骨塩量測定装置

kn1DEXA*法による骨塩量測定は、骨粗鬆症をはじめとする代謝性骨疾患の診断や治療経過の診断や治療の経過観察などに広く用いられており、特に橈骨の骨塩量測定には次のようなメリットがあります。
* DEXA:Dual Energy X-ray Absorptiometry(X線二重光子吸収法)

橈骨骨塩量測定装置

主な特徴

  • 高精細画像と優れた測定精度を短時間の計測で実現

ファンビームX線とラインセンサーの採用により、測定時間を飛躍的に短縮しています(標準走査時間15秒)。また、高分解能センサーによる高精細画像は尺骨茎状突起の自動認識を高い確度で可能にし、繰り返し測定における位置再現性の向上により優れた測定精度(再現性)を実現しています。

マンモグラフィ装置

乳がんの早期発見をめざして当院では、最新のマンモグラフィ装置を導入しています。
この装置はこれまでにない画期的な新技術の採用により、微細な乳がんでも早期に発見することが出来ます。

乳がん健診のすすめ!!

kn-2マンモグラフィは早期乳がんを見つける乳房専用の・線撮影です。
乳がんに対して有効な画像診断のひとつがマンモグラフィです。マンモグラフィは乳房に出来るほとんどの疾患を見つけることができますが、特にシコリとして触知できない微細な砂粒状に見えるもの(石灰化)を鮮明に描出できるのが最大の特徴です。
あなたの大切な命を守るため、定期的に乳がん検診をお受けください。

超音波検査装置(Aplio500 platinum)

超音波検査装置 copy当院は最先端技術のフルデジタル超音波装置を設置しております。
最新のアプリケーションを搭載し、高精細な画像が得られ、広範囲な部位(腹部・心臓・乳腺・甲状腺・頸部および下肢血管等)を細部までリアルタイムに観察できるほか、しこりの硬さや肝臓の硬さ(エラストグラフィー・シュアウェーブ)を測定することができるほか、微細な血管まで描出(SMI)することができ、病変の早期発見・早期治療にお役立ていただけます。
検査はベッドに寝て頂き、探触子という機械を体表に当てるだけで、身体には全く影響がなくリラックスして検査をお受けいただくことができます。

血圧脈波図検査装置(VaSera-VS1500A)

血圧脈波図検査装置(VaSera-VS1500A)この検査装置は、両上腕・両足首に血圧測定のカフ、両手首に心電電極、胸に心音マイクを装着し動脈硬化度(血管年齢など)を調べる検査です。検査はベッドに横になり血圧を測る要領で、5分程度で終了します。

この検査でわかること

  • CAVI(キャビイ):心臓から足首までの動脈の硬さを表す指標です。
  • ABI(エービーアイ):足関節上腕血圧比は動脈の詰まりの程度を表します。

終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)装置(アリスPDX)

睡眠時無呼吸症候群を診断する装置で、従来型と異なり小型化され本体を身体に装着するだけで簡単に検査ができます。この装置は従来の大型の装置と同様の診断結果を得ることができます。また、自由度が高いためトイレ等の行動制限も無く気軽に検査を受けられます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠中に呼吸が止まり、それによって日常生活に様々な障害を引き起こす疾患です。
睡眠時無呼吸症候群の重症度は、AHI(無呼吸低呼吸指数)で表します。
このAHIが5回以上認められ、日中の眠気などの自覚症状がある場合、SASと診断されます。

AHIが5~15回が軽症、15~30回が中等度、30回以上が重症とされています。

主な症状

いびきをかく / 日中の強い眠気 / 倦怠感・頭重 / 夜中に何度もトイレに起きる / 集中力・記憶力の低下

主なリスク

高血圧 / 糖尿病 / 心不全 / 脳梗塞 / 交通事故

SASの検査

  • 簡易型検査(患者さんが自宅にて就寝前に取り付け)
  • 終夜睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)検査

PSG検査はSAS検査では最も精密な検査方法になります。
脳波・筋電図・呼吸・血液中の酸素等、さまざまな生体信号を測定するためセンサーを装着します。これにより無呼吸の程度、酸素の低下状態はもとより睡眠の質、その他の睡眠障害の有無について診断されます。
この検査はさまざまなセンサーを装着する必要があるため入院をして行ないます。

PSG検査の流れ

PSG検査の流れ

その他の検査機器

心電計・ホルター心電計(24時間記録)・簡易型終夜睡眠ポリグラフィー装置・脳波計・重心動揺計・サーモグラフィ装置・呼吸機能検査装置・トレッドミル装置